よくあるご質問
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- 大型のコンテナクレーン、ガントリークレーンの海外への移設はどのように行うのですか?
移設工事の時間、コストの削減のために稼働原状のまま、つまり解体をしないで重量物運搬の特殊船を用いて海上輸送をします。この時大容量の大型海上クレーンは積み卸の両港で共に使用することはその機会、コスト、所要時間の面から現実的ではありません。そこで当社は海上クレーンを用いず、ロールオン・ロールオフ方式による積卸しを行います。この時本船の状態(喫水、傾斜)岸壁高さ並びに潮位の兼ね合いで微細なコントロールを行います。当然、気象海象を深く考慮して実行します。海上輸送中の船体動揺等によるクレーンへの影響(加速度、冠水等)をコンピュターによる構造解析を含め多くの手法をを用いて対策を施します。すでに無事故で50余基の実績を有します。
- 走行クレーンの逸走暴走防止対策の強化を図るには?
最近多発する異常気象のために発生する突風により走行クレーンが暴走し、重大事故を起こすことがワールドワイドに増えています。従来はクレーンが停止している時のみ有効に働くレールを掴み保持するクランプ方式(レールクランプ)が主でした。この方式はクレーンが静止時に有効に働きますが走行中には働きません。そのためにクレーンのオペレターが多くのヒヤリハットを経験しています。これら暴走、ヒヤリハットに対する対策として走行中にも有効に働く、レールブレーキ 「逸走暴走防止ブレーキ」 と走行モーターの軸付ブレーキ「IB30」の併用が極めて有効です。Top Page のNews Releaseからレポートに入りIcan Report 12号クレーン暴走防止レールブレーキ、Ican Report14号走行暴走対策をご覧ください。
このブレーキシステムは内外の港湾で多くの実績を重ねています。
- ポジティブ(アクティブ)ブレーキとネガティブブレーキの違いは?
ポジティブブレーキは外力によりブレーキが作動する。
ネガティブブレーキは内装バネの力で ブレーキが作動する。 例:自動車のフットブレーキ=ポジティブブレーキ クレーンに使用する機械式ブレーキは、操作を放すと作動するネガティブブレーキが主流です。
- ドラムブレーキとディスクブレーキの違いは?
ドラムブレーキ
ドラムブレーキは軸と共に回転する円筒形状(ドラム)にブレーキシュウを押し付けて制動するブレーキです。ディスクブレーキよりも放熱性が悪く、ブレーキ力が安定しない欠点があります。古くからクレーンにドラムブレーキが使われていましたが、近年はディスクブレーキに置き換えられています。特に海外の既設コンテナークレーンではディスクブレーキに取り換えられています。この理由はディスクブレーキがブレーキ性能に優れていることに加え維持管理が容易なためです。
ディスクブレーキ
ディスクブレーキは軸と共に回転する金属の円盤(ディスク)をライニングで両側から挟むことにより制動するブレーキです。ディスク上のパット当たり面以外の表面が空気に接するので放熱性が良好です。また摩擦粉が溜まりにくくブレーキ性能が安定します。ディスクとパットのあたり面が平面であるため、擦り合わせの慣らし運転をほとんど省くことができます。慣らし運転を含めたライニングの取り換えが極めて簡単です。ライニング摩耗自動」調整装置,自動調芯装置等により信頼性の向上が計れます。
- サービスブレーキと保持(非常)ブレーキの違いは?
ブレーキが使われる役割による種類分けです。
サービスブレーキは被制動機械の通常操作で毎回制動力が作動します。 特に摩擦ブレーキの場合は日常的に制動力が働き、ライニングがすり減っても制動力に影響を与えないように摩耗調整機構を装備したものがあります。また損耗の少ない電気制動ブレーキ等があります。
- 機械式ブレーキの駆動装置の種類は?
油圧型式、空圧型式、電磁マグネット型式、スラスタ型式(弊社製)などがあります。
駆動装置とブレーキの型式などの組み合わせにより、様々な特徴が得られます。
- 油圧型式の特徴は?
【長所】
・ブレーキ本体に取り付く駆動装置がコンパクト
・押し付け力が高い
・駆動装置の発熱が少ない
・電磁ノイズを発生しない
・空圧のような漏れ損失が少ない
・ストロークに余裕がある
【短所】
・油圧ポンプ・配管の設置が必要です
・手動解放のためハンドポンプが必要です
・熱容量計算が重要(作動油の沸点など)です
・作動油の補充・交換が必要です
- 空圧型式の特徴は?
【長所】
・駆動装置の発熱が少ない
・電磁ノイズを発生しない
【短所】
・応答速度が遅い
・コンプレッサ・配管の設置が必要です
・ブレーキの手動解放が困難です
・エア漏れによる損失が大きく影響する時があります
・水蒸気の凝縮対策が必要です
- 電磁マグネット型式の特徴は?
【長所】
・応答速度が速い
・遠隔操作が容易です
・制御機器につなぎやすい
【短所】
・ブレーキ開閉の操作音が大きい
・電磁石のストローク長を十分にとれない
・駆動装置(コイル)の発熱がある
・電磁ノイズが発生しやすい
・振動のため他の部分に悪影響を及ぼすことがあります